UTMB2024: Vallorcine (U14)からLa Flégère (U15)へ

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昼の日差しを浴びて:最後の登りに向けた挑戦

Vallorcineを出発した時、太陽はすでに高く昇り、強烈な日差しが体に容赦なく降り注いでいた。あと20km弱という現実が少しだけの安堵を与えるものの、タイムリミットが迫っていることが焦りをさらに加速させる。2年前にChamonixに旅行に来た時、電車でVallorcineまで行き、Vallorcineからのこの区間を試走した記憶が蘇る。当時、天候は今回ほど厳しくなく、試走も比較的順調に進んだが、その経験が今のレースで大いに役立っていると感じていた。

試走の経験があるとはいえ、今回のレースは状況がまったく違う。疲労が積み重なり、脚に痛みが走る。道のりは覚えているはずなのに、疲労と焦りが感覚を鈍らせ、記憶と現実がかみ合わないもどかしさが広がる。ゴールが近いとわかっていても、まだ手が届かないという焦燥感が心を締め付けていた。

体温との戦い:冷却を求めて進む

最初の4kmほどは緩やかな登りが続くが、日差しが強く、気温はぐんぐん上昇していく。体が熱を帯びて動きが鈍くなり、試走時とはまったく違う感覚だ。試走した時もこの区間の難しさを感じたが、今はさらに厳しい。途中で見つけた沢に何度も帽子やタオルを浸し、冷たい水で体を冷やす。その瞬間だけは体温が少し下がり、気持ちも落ち着くが、再び日差しが体を襲ってくる。

時計を確認するたびに、タイムカットの恐怖が頭をよぎる。進むペースが遅くなり、作成した1kmごとのタイム表と照らし合わせながら焦りが増す。それでも、この小さな冷却が体力を保つ鍵だと信じ、ペースを少しでも保とうと先を急ぐ。

Col des Montetsからの登り:厳しい日差しと淡々とした歩み

Col des Montetsを越えると、次はBécharへの登りが待っている。この登りは300m弱の標高差で、勾配はそれほどきつくない。2年前の試走時、この登りは問題なく進んだ記憶があったが、今回のレースではまったく状況が違う。太陽が真上から容赦なく降り注ぎ、体力をじわじわと奪っていく。この直射日光がすべてを変え、登りが何倍も辛く感じる。それでもClimbProを頼りに、残りの登りを確認しながら進んでいく。

試走時と異なり、脚に感じる痛みが大きくなっていくが、もうその痛みが日常の一部のように感じる。頭の中はクリアではなく、ただ無心で足を動かしているだけだ。1秒でも早くBécharに到達したい、という一心で進み続ける。試走時の記憶があることでコースの先が見える安心感があるものの、今はその記憶が遠い昔のことのように感じる。

Bécharからの下り:木の根と石段の慎重な歩み

Bécharを過ぎると、待ちに待った下りが始まるが、木の根や石の段差が多く、スピードを出すのは難しい。試走時にもこの区間を慎重に降りた記憶があるが、今はさらに慎重に進む必要がある。疲労は限界に達しており、脚の動きも重い。それでも、段差に足を取られないよう、一歩一歩慎重に下っていく。遅いランナーに蓋をされるも、この遅さに巻き込まれないよう、何度も追い越しを試みて先を急ぐが、試走時と比べてペースが遅いことが明らかだ。

大きな岩が視界に入ると、試走の記憶がぼんやりと蘇る。2年前、この区間をスムーズに降りたことを思い出すが、今はそんな余裕はどこにもない。疲労が体に重くのしかかり、道が永遠に続いているように感じる。景色を楽しむ余裕もなく、ただ足元を見つめながら慎重に進む。

La Flégèreへの最後の登り:疲労との最終戦い

やっとのことで下りが終わり、目の前には最後の登りが待ち受ける。La Flégèreへと向かうスキー場に至る登りだ。2年前の試走時、この登りはそこまで辛くは感じなかったが、今回は全く違う。スキー場までの距離が長く感じられ、道が終わる気配はない。「いつスキー場の登りにたどり着くのか?」と何度も自分に問いかけながら、時計とプラン表を確認し続ける。

体力は底を尽きかけ、脚は痛みで限界だ。それでも、2年前に試走した経験が心を支えている。コースの最後を知っていることが、少しだけ希望を与えてくれる。試走の時と比べ、体はボロボロだが、ゴールが近いことを知っているのは大きな励みだった。

La Flégère到着:冷たい水が与える束の間の救い

ようやくLa Flégère手前のスキー場にたどり着き、エイドステーションが視界に入る。最後の登りを乗り越えた時、体に重くのしかかっていた疲労が少しだけ和らいだ。2年前の試走時には感じなかったこの達成感が、体を支えてくれている。エイドで浴びた冷たい水のシャワーが、体にこびりついた熱と疲れを一瞬だけでも洗い流してくれる。

2年前の試走がなければ、この厳しい道のりを乗り越えることはできなかっただろう。この一瞬の安堵が、次のゴールに向かうための最後の力を与えてくれる。この水の感触は、長く続いた旅路の中で味わった唯一の癒しであり、2年前の自分に感謝する瞬間だった。


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