はじめに
UTMB(Ultra-Trail du Mont-Blanc)完走に向けた1年間のトレーニングをGarminのデータで振り返り、どのようにトレーニングとリカバリーを組み立てたのかを分析します。特に、昨年12月の「Thailand by UTMB 100マイル」と今年5月の「彩の国100マイル」、8月のUTMB本番を含め、トレーニング量や質、リカバリーの重要性について深掘りし、皆さんの今後のトレイルランニングの参考になればと思います。
1. トレーニング量の概要
Garminのデータを振り返ると、走行距離、累積標高、スイムトレーニングが月ごとに変動しています。特に、今年3月は走行距離と標高がピークに達していることが確認できます。これは彩の国100マイルに向けてかなり練習量を増やした結果です。ただ、走り過ぎた結果、Too muchだったようで腰を痛めて走れなくなり、逆に4月は練習量は半減となりました。
- 3月:彩の国のため、距離は一気に増加しました。しかし、その結果腰を痛めて4月前半はほとんど走れていません。その代わり、スイムでの練習を増やしました。
- 6月:彩の国(DNF)が終わったあとのリカバリーのため、走行距離は落としています。
- 7月:UTMBに向けて再び練習量を増やしています。
- 8月:峠走の下りで足の甲を痛めてほとんど走れずUTMBを迎えました。←結果的にコレが良かったのかも。
2. 月200kmの走行で十分な理由
UTMBの完走を目指すために、私は「月200km走れば十分」と考えています。多くのランナーは、超長距離レースに向けて月300km以上走らなければならないと考えているかもしれませんが、私の場合は月200km程度でも体力を維持でき、無理なく継続でき、結果的にUTMBに完走できました。これは、量よりも質を重視した結果です。というより、月300kmだと故障してしまったので、自分にとっては300kmは負荷が高すぎると思います。鏑木選手は最盛期は月1,500km走っていたそうですが。。。
量を追求するよりも、1回のトレーニングの質、そしてリカバリーの重要性に焦点を当てたことで、走る距離は少なくてもUTMB完走が可能だったと考えます。
特に40歳以上の中高年になると、回復力がパフォーマンスに大きく影響するため、無理をせずに体を労わることが最重要です。
3. 累積標高:月10,000mが鍵
山でのトレーニングでは、月10,000mの累積標高を目安に取り組みました。UTMBのような山岳レースでは、登りに慣れることが非常に重要です。私自身、彩の国の奥武蔵や、奥多摩の雲取山など、山でのトレーニングを取り入れ、登りと下りに必要な箇所を鍛えたことで、UTMB当日も安定したペースを維持できました。
- 勾配に慣れる:月10,000mの累積標高を目指すことで、急斜面や長い登りへの耐性を高めました。
4. リカバリーにスイムを活用
リカバリーのためにスイムを積極的に活用しました。スイムは関節への負担が少なく、疲労回復を促しながら心肺機能を高めるために最適な方法です。多くの人はジョグでリカバリーをするようですが、走る以上は脚への負荷はジョグと言えども必ず掛かってくるので、私はジョグでのリカバリー効果には懐疑的です。長距離走の後はスイムで体をほぐし、筋肉の回復をサポートします。最近、宮﨑 喜美乃さんもスイム練習を取り入れていらっしゃるようですし、スイムでのリカバリー効果は高いと個人的には思っています。ちなみに、スイムでは大体30分~40分をクロールで低強度で休みなくずっと泳ぎ続けるというのをやっています。距離にして1,500m~2,000mくらいですね。
- スイムの効果:スイムは、走ることに比べてカラダへの負荷が小さいため、リカバリーのスピードを早め、次のトレーニングへの準備を整えるのに効果的でした。
5. 仕事とトレーニングの両立
平日はかなり仕事が忙しく、練習できるのは平日で多くて週に1日できるか全くできない程度でした。それでも、週末の集中トレーニングとリカバリーを重視することで、完走を実現しました。中高年のランナーにとって、闇雲に毎日走るよりも、適切な回復時間を確保することが、結果的にパフォーマンスを最大化させる鍵だと感じています。
- 回復の重要性:毎日走るよりも、体を休ませることで疲労の蓄積を防ぎ、レース当日に最大のパフォーマンスを発揮できました。
6. 結論:完走だけなら月200km以上は全く必要ない
UTMBを35時間以内で完走するなど、速さを追求する場合はもっとトレーニング量を増やす必要があるかもしれませんが、完走を目指すだけなら、月200kmの走行距離でも十分です。走りすぎることで疲労が蓄積するリスクを避け、適切なリカバリーを取り入れることで、効率的にトレーニングを行うことができると考えています。
XなどSNSでは月の走行距離を公開(自慢?)していらっしゃる方が多いですが、そのようなものには惑わされず、リカバリーを重視した練習量を心掛けるべきだと思います。
「MOUNTAIN MARTIAL ARTS」というトレランのウェブサイトがありますが、その中の「蚊取り線香(Shinobu Ono)」さんの記事がとても参考になると思います。
UTMBを走った後にこの方の記事を見ましたが、自分と考えが近いですね。
下記のブログ記事を見てみてください。完走できるためのヒントがあるかもしれません。
■UTMB完走のためのヒント(2019年その1。その2はありません)
他の記事も含蓄に富んでいるので、参考になるのではないでしょうか。
ランニングも宗教みたいなもので、宗派が多数あるので、受け入れられない方も多いとは思いますが。


